キャラクターシートを作ってみる

2021.12.17 第一稿(゜¬゜) 突発的に書いてみたのでとりあえず公開。結構直すと思う!←

はじめに

小説には「登場人物」が欠かせません。何をアタリマエのことを言ってるんだおまいは、と言われるかも知れませんが、実は「登場人物」が「オブジェクト」になってしまっている作品ってたくさんあるんじゃないかなって気がしています。「人間の作り込みが足りない」とか言われちゃうアレですね。そりゃ難しいですよ。人間ですから。どういう風に何をどうしたらいいのかとか、どこまで作ったら正解なのかとか、答えなんてないんです。

が、TRPG民の諸兄ならばわかるはず。「キャラクターシート」というやつの凄さを。紙一枚でキャラクターが動き出し、紙一枚で行動に制限(言い換えれば合理性)が生まれるんです。斯く言う私も本当にはるか昔、四半世紀ばかり昔までTRPG民でした。メインとしていたのは、GURPSガープス。よりによって恐らく一、二を争うくらいコアなTPRGルールです。複雑すぎて挫折した諸兄もすくなく……って今はそういう話ではなく、キャラクターの作り込みの話でした。

数多くの諸先輩方が「キャラシート」を提供してくれていますが、私も私がキャラクタ作りに使っているフォーマットをそれっぽく整形してお見せしようと思います。私用のやつはそのままじゃ見せられない(笑) だって閲覧者=私なのでひどいもんでございまして。

GURPSっぽくすると誰も見なくなっちゃうので、ざっくり上から埋めていけば終わるようにしてみますよ。これ、ファンタジーからSFまで適用できることを目標にしているので、度々バージョンアップするんじゃないかな。スプレッドシート形式にするかもしれないので乞うご期待。

では、指針というか、私の経験則にすぎないので話半分程度で御覧ください。

キャラクターシートを作ってみよう

シートと言いつつ、まだシートになってませんが、さしあたり参考まで。

活躍する舞台設定を決める

同じ概念で作れるとはいえ、ハイファンタジーの世界と近未来SFの世界では、キャラクターに必要な情報が違います。

ので、もし決まっていなければそれをざっくりと決めておきます。キャラクターが揃った後で世界観を調整すると良いです。スタートアップはその方が早いです。調整をしっかりすれば、最初にガッチリ作る場合と、それほど差は出ないと思います。また、最初にガッチリ作り込んでしまうとそれだけで疲れてしまったり、キャラクターの造形が小さくまとまってしまったりする可能性があります。もっとも、世界作りの猛者はその限りではない。

また舞台設定は「整合性」と「嘘」のバランスがだいじ、じゃないかな?

ガチなリアルさじゃないんです、(多くの)読者さんが求めるのは。「嘘」があっても「整合性」が取れてればいいし、「嘘」があっても「面白ければ」いい。たとえばガンダムで言う「ミノフスキー粒子」なんてないですよね。あとスターウォーズみたいに「宇宙空間で音」は出ませんよね?? でも音を出すことで映画やアニメとして「面白く」なるならそれは正義なんです。それは小説でも一緒だと思っています。ウソとホントのバランス。整合性。だいじだと思っています。

能力値を決める

さてやっとこキャラクターに触ります。

次の4項目を決めます。10を中央(平均)に定量的な感じにすると良いでしょう。ここを増やしすぎるとめんどくさくなるので、ざっくりこのくらいで十分です。ハイファンでしか使わないじゃんwwwとか思われるかも知れませんが、これらを決めておくと思わぬ助けになります。

能力解説
腕力みたまんま、きんにく。
器用さ手先の器用さ
知性頭の回転速度。知識量ではないので注意
生命力病弱とか絶対風邪引かないとかを目安に調整

容姿情報を決める

絵が描ける人は描きましょう。大事なのはキレイに描くことじゃなくて、雰囲気。カスタムキャストとかいろんな便利なツールがネットにはあるので、そういうものもフル活用しましょう。ええ時代じゃ。

そして以下の項目は設定(明記)しておくと後々助かる。

  • 髪の色: できれば具体的に。凝った表現にするとメンドクサイので「明るい茶色」とかそのくらい。
  • 髪型: 簡単な絵があるととても良い。女子の髪型については「○○カット」のような呼び名も調べておく。念の為。
  • 目の形: アーモンド型、とか、猫のような吊り目とか、ガチャ○ンのよう、とか。
  • 虹彩の色: 日本人=黒、じゃたぶんダメで、基本的には「黒褐色」とか「茶褐色」「明茶」など具体的に。目の描写のバリエーションは増やしておいたほうが後々楽。
  • 肌の色: 我々とにかく「白く」しがちだけど、そこはひと工夫あったほうが良いと思う。
  • 身長・体重・体型などのシルエットに関する特徴: 特に「身長」は1cm単位で設定しておくと色々使い勝手が良い
  • 声質: これも「高い」とか「柔らかい」とかそういうだけじゃなくて、「アムロ・レイの声」とかそういう自分がイメージしやすいキャラクターと紐付けるととても楽になる。声もイメージできていると描写がとても楽になる。ちなみに私もメインキャラクターはほとんど声優さん(とその役)を結びつけています。
  • その他: たとえば「指が長い」とか「ラメ入りの口紅を愛用」とかパーツの特徴があればいくつか用意する。しかし、1つか2つにとどめておくのが吉。多すぎると効果が薄くなります。

特技・癖・コダワリを決める

GURPSっぽくやるなら、CP(キャラクターポイント)を割り振っていくわけですが、パクるわけにはいかないので、ざっくり指針を。

  • あまり多くの特徴を持たせない: まずは戒め。1項目の情報量が多いと、せっかくの特徴を生かせなくなったり、読者に印象づけるのが難しくなる。が、スキル次第ではある。
  • 長所と短所を決める: 長所と短所のバランスが物語の重量を決めると私は考えています。まずはざっくり1つずつくらいの長所と短所を決めましょう。
  • 癖を決める: 人は「無くて七癖」と言います。細かい所作の中、言葉の中に「クセ」があります。あまり多くすると作者が死ぬので、1つか2つにすると扱いやすいです。基本的にキャラクターの特徴はアイコン化できるキャッチーなものにしたほうがわかり易くなると思います。「○○といえば✕✕」くらい絞れるといいんですが、これがなかなか難しいです。あれこれ「盛りたく」なるので。そしてこの「癖」は、出番の少ないキャラには設定しないほうがいいかもしれない(設定すると「つい書きたくなって」冗長な描写になりやすくなるかも)
  • コダワリを決める: クセとは違う「主義」のようなもの。例えば「朝は絶対コーヒーしか飲まない」でもいいですし、「俺が神だからどんな宗教にもなびかない!」とか、「本の帯は絶対に捨てない」とかそういうの。何でも良いです。物語の本筋と関係ないようなコダワリ設定が、作者を救うことは間々あります。たぶん。
  • 一人称と二人称を決める: 「私」と「君」とか「オレ」と「あんた」みたいな感じで、基本的な一人称と二人称を決めておきましょう。これは滅茶滅茶重要です。途中で「あれ、こいつの一人称なんだっけ?」とかなりますので、必ずいつでも参照できる場所に記録しておきましょう。

背景を決める

はいきました、「背景」。ばっくぐらうんど。そう、ここで「キャラクターの背景」です。ここにくるまでにキャラクターの姿かたちや言動をイメージしまくったと思います。どんな人物か、もうわかりますよね? ぼわっとしてないですよね。具体的になってますよね。

(舞台設定と同じく)最初に背景をアレコレ決めてしまうと、それに縛られたちんまいキャラクターになるんじゃないかなって私は思っています。だからまず自由にキャラクターを造形して、そこまでで十分にイメージできたところで背景を落とし込む。こういうやり方。なのでここまで背景の設定を温存してたわけです。キャラクターを二人、三人と作る際にもどんどん背景情報は濃くなっていくので、メインキャラが出揃うまで随時アップデートしていきます。この「背景」をどこまで作り込めるかが勝負だと思うんですよ。「世界観」がどうのじゃなくて、キャラクターのバックグラウンド。そうすれば自ずと、その「世界に必要な情報」は揃いますよね。あとは俯瞰して眺めた時に不足してる部分を補えば良いのであって。キャラクターを作り込めば必然世界は濃くなります。「貨幣が」とか「トイレ事情が」とか割とどうでもいい。物語でそこまでリアリティを求めるのは書く側であって、(それが本筋ではない場合)読む側には冗長な情報でしかないのです。どうしても書きたければ設定資料集ででもやりましょう。セイレネス・ロンドのように。←さりげに宣伝する

「どこで生まれた」とか「なぜそのクセがついたか」とか「そのコダワリはどこから来た」とか「どういう境遇か」「恋人はいたか(いるか)」とか。そういう情報からちょいちょいレゴブロックのように組み立てます。暇があったら組み立てて時々放置してまた組み立てます。

するとたとえば……

数学が得意すぎる私は、数学の授業ではいつも寝ている。暇だから。そのせいだろうか(そのせいだろう)、教師に嫌われていて大変めんどくさいことになってきている。3年で同じクラスになった図書委員の男子に妙になつかれている。私の至高のお弁当タイムにすらやたらと話しかけてくるし、掃除となればカイテンボウキを譲ってくれたりするうざいやつだ。なんでそんな事するのかとある日訊いてみたら、彼は実は小学校の時の同級生だった(らしい)。(私が)転校した時に思い出も綺麗サッパリ捨てていったので忘れていた。ちなみにその男子はメガネ女子フェチだったのでコンタクトの私に執拗にメガネをすすめてくる。うざい。彼曰く、数学教師もメガネフェチらしいから少しは内申に影響するかも知れないとのこと。だが、私は誰よりも優秀なので問題はない

とかそういう感じ。どういう感じだ?(ひどい例だ)

とにかく(?)ここでそこまで設定してきたキャラクターに命を吹き込むような感じです。

人間関係は?

人間関係などは、ここまで吟味してきたキャラクターの特徴を加味していくと自ずと決まります。決まらない場合、まだ「背景」が作りきれてないと思います。なので「背景」を作ってください。作っていくうちに↑で例示した「超優秀なリケジョ」のような感じで人間関係ができてくるはず。これをベースにしてホイホイ肉付けしていきます。が、ここでも「ガッチリした人間関係図」は作りません。というのは、「図」とか作ると人間それを「全部」使いたくなると思うんですよ。ぶっちゃけ「図」の半分から八割くらいは捨てて良い(=見せなくていい)と思っています。

上のリケジョの例でいえば、「数学教師」と「図書委員の男子」がどう絡んでくるかをここで考える感じです。男子がリケジョに恋してるんだとしたら、もうひとり男子(女子でもいい)を出して、このリケジョを奪い合わせてもいいし。なんなら「数学教師」は実は探偵ガリレオ(あっちは物理学だけど)みたいな立ち位置で、何らかの因縁でリケジョとコンビを組まされてしまうとかでもいいし。(というところまでは書きながら考えたので第一案レベルの粗いものですが)

とにかくそうやって「ある程度」整えます。

キャラできた?

どうでしょう。少しはガイドになったでしょうか????

経験的には4,5人キャラクターを作ると、その世界がおおよそいい感じの解像度になります。

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