小説

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OreKyu-03-002:ガンタンク生産中のダイアログ

 俺たちはホテルの部屋で黙々とガンタンクを組み立てている。牧内社長からの言葉があまりに衝撃的で、俺はホテルに帰ってからほとんど口を開けなかった。それはメグ姐さんも同様なようで、口をへの字に曲げて、黙々とガンタンクの履帯を組み立てていた。ちな...
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OreKyu-03-001:詰問大会強制参加(ていうか主役?)

 クライアントとの会議——というか詰問大会——は予想通りに酷いものだった。確かにこれ、メグ姐さんじゃなかったら全てを飲み込んで帰ってこなければならない空気だ。向うは社長以下役員、管理職がずらりと揃っている状況。対するこちらは徒手空拳の下請け...
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OreKyu-02-003:ガンプラの前では自分を偽れないだけよ!

 嬉々としてエスカレータに飛び乗ったメグ姐さんは、振り返って言う。「ガンプラと言えばヨドバシカメラ。コレ、北大生の中では常識だからな」「北大生がみんなガンプラ作っているわけじゃないでしょう」「お前はフェルミ推定すら知らないのか」「いえ、知っ...
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OreKyu-02-002:お前のポテトは私のもの。

 言いつけ通り、札幌駅最寄りのマックに行き、二人してダブルチーズバーガーセットを頼んだ。そして会計は俺の財布から。常時財政難な俺には、これしきの出費でも痛い。「食うのに一時間かけて良いぞ」 ソファ席に陣取りつつ、メグ姐さんは言った。クライア...
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OreKyu-02-001:イグアナと同じ程度には好きだぞ、童貞。

 翌日、俺たちは無事に羽田から新千歳空港まで移動した。直前まで台風でも来てくれないものかと祈っていたが、《《令和》》になりたての五月のGW明けの今日この頃、本日ハ晴天ナリ、である。新千歳空港から札幌駅まではJRで一本である。この辺は本当に便...
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OreKyu-01-001:連れ込まれた先は

 弊社に於ける給湯室というのは――一般的にはともかく――いわば、女の園だ。それもダメなカレーから立ち上る何か瘴気的なものを感じさせる異空間である――というのが偏見だと言われようが弊社に於いてはそうなんだから仕方なかろう。そんな男子禁制の給湯...
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|<∀8∩Σ! - 俺たちの歴史は給湯室から始まったと言えるのかもしれない。 - INDEX

ジャンルとしては「現代ドラマ」が一番近いですが、要素的には「SF」です。これも以前カクヨムにて連載していたものの再掲となります。クライアントが起こした不始末について、クライアントに謝罪に行く。正直わけが分からないと思うが、俺にもわけが分から...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第肆話

承前「悔しいか?」 男は目を細め、口を歪めた。「悔しいだろうな。枠組みだけは一人前、そのくせ中身は風船のような自尊心が|突付《つつ》かれたのだからな」 赤い布は、くぅん、と鳴いた。顔無しのマネキンの肩が、クルンと痙攣した気がした。「根拠のな...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第参話

承前 人間の一部――!? ゾクッとした。背筋が粟立った。そんな私を見ている男は、退屈そうに眼を細める。「別に有機体ではない。死体ではない。お前たちの定義に拠ればな」 そして、面白くなさそうに言った。私は膝が硬直している事に気がついた。「それ...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第弐話

承前 男は私を誘い入れようとしたが、こんな時間に見知らぬ男の家にホイホイと入ってしまえるほど、私は判断力の低い人間ではない。「いや、こんな夜中に」「夜中だから何かあるのか?」 まさかの問いかけだ。私は答えに窮する。男は私の方へ一歩近付きつつ...
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