SF

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OreKyu-03-008:シンギュラリティ到来のためのパスフレーズ

 頼むと言われたのは嬉しいのだが……。しかし勝つ算段は未だに生まれてきていない。そもそも人間二人で考えたところで、あの高速演算装置を有したゴエティアに|敵《かな》うはずもない。「だがな、奴は何かキーワードを求めているんだと思う」「キーワード...
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OreKyu-03-007:頼むぞ、相棒

 どうしたらこの状況を打破できるというのか。俺とメグ姐さんはその部屋から出て廊下で考え込んだ。廊下と言っても奴の、ゴエティアの監視下であることは疑いようもない。完全に情報を秘匿することなど不可能だという事は分かっていた。「ここからは出られそ...
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OreKyu-03-006:仕組まれた五年間

 その瞬間、その大きなディスプレイの中に一人の女性の姿が現れた。それは俺の良く知る——。「嘘だろ」 思わず声が掠れる。そこにいたのは俺の彼女、|桐上《きりかみ》|霞《かすみ》だったからだ。『ようこそ、次なる世界の入口へ』「なぜその姿なんだ、...
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OreKyu-03-005:魂の在処

 知恵比べ? 押せないエレベータのボタンを連打しながら、俺は頭の中で今までのやり取りをぐるぐると|反芻《はんすう》する。「おい、墨川、いつまでエレベータにこだわっている。ついでに言えば階段もダメだった。トイレが使えるのはまだ良心的だな。うん...
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OreKyu-03-004:ゴエティアとの対面

 翌日、牧内社長が直々に、俺たちを「開発部」へと案内した。そこは会社の地下深くにあり、異様なほど広大な場所だった。だが、そこに人間はいない。ただ無数のディスプレイが並んで、一瞬も止まることなく何かを映し出しては消していた。「開発部というのは...
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OreKyu-03-003:悪魔の証明

 俺の言葉に、メグ姐さんはフッと息を吐く。「実体がある? 本当に? 見たの?」「いえ、見てないですけど。でも」 俺は手を休めずに言い募った。「プログラムってのはソースの集まりです。ソースのないプログラムは存在しない」「ソースってのはエディタ...
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OreKyu-03-002:ガンタンク生産中のダイアログ

 俺たちはホテルの部屋で黙々とガンタンクを組み立てている。牧内社長からの言葉があまりに衝撃的で、俺はホテルに帰ってからほとんど口を開けなかった。それはメグ姐さんも同様なようで、口をへの字に曲げて、黙々とガンタンクの履帯を組み立てていた。ちな...
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OreKyu-03-001:詰問大会強制参加(ていうか主役?)

 クライアントとの会議——というか詰問大会——は予想通りに酷いものだった。確かにこれ、メグ姐さんじゃなかったら全てを飲み込んで帰ってこなければならない空気だ。向うは社長以下役員、管理職がずらりと揃っている状況。対するこちらは徒手空拳の下請け...
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OreKyu-02-003:ガンプラの前では自分を偽れないだけよ!

 嬉々としてエスカレータに飛び乗ったメグ姐さんは、振り返って言う。「ガンプラと言えばヨドバシカメラ。コレ、北大生の中では常識だからな」「北大生がみんなガンプラ作っているわけじゃないでしょう」「お前はフェルミ推定すら知らないのか」「いえ、知っ...
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OreKyu-02-002:お前のポテトは私のもの。

 言いつけ通り、札幌駅最寄りのマックに行き、二人してダブルチーズバーガーセットを頼んだ。そして会計は俺の財布から。常時財政難な俺には、これしきの出費でも痛い。「食うのに一時間かけて良いぞ」 ソファ席に陣取りつつ、メグ姐さんは言った。クライア...
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