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赤の魔神と錬金術師・本文

BD-99-99:エピローグ~変わらないもの

 めちゃくちゃ。 めちゃくちゃ、おなかが、すきました……。 シャリーはそんな夢を見ていた。空腹も限界極まれリで、眩暈はするし、吐き気すら込み上げてくる。 あ、これはもうダメかも。《《おくすり》》作らないと……。 妙に冷静な頭でそんなことを考...
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BD-07-10:運命に抗う

 あっ……!? もしかして! シャリーは雨に打たれながら、目を|瞬《しばたた》かせた。「できる、かも……」「え?」 ケインとアディスが同時にシャリーを見た。シャリーは二人を見つめ返し、右手をゆっくり大きく振るった。「この城は魔石です。その全...
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BD-07-09:未来へ思いを

 シャリーの言葉に、サブラスは目尻を吊り上げた。『ふざけてなど――』「あなたにとっては、人間の命など、百万人も一人も大差ないはず! あなたは《《生命の魔神》》でしょう?」 揺るがぬ口調のシャリーに、サブラスは黙り込む。「あなたに救われる人も...
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BD-07-08:神への啖呵

『……ッ!』 クレスティアとサブラスの中間地点で光が弾けた。クレスティアもサブラスも一歩退いて、その光の激流が収まるのを待った。光が収束すると、そこに白銀の甲冑を身に着けた黒銀の髪の青年が姿を現した。 まぎれもなく、速き力の神――ヴラド・エ...
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BD-07-07:己が首を持つ騎士

 シャリーののんびりした口調を受けて、ケインが呆れる。「どうしましょうかねぇって、おまえなー」「ケイン、たしかに僕たちには応援くらいしかできることはなさそうで――」 アディスの言葉が終わるか終わらないか。突如ケインたちの目の前の空間がバリバ...
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BD-07-06:赤の魔神

 シャリーの言葉に、エライザが「何だと!?」と天井に開いた穴を睨んだ。シャリーは揺れの方向を確かめて「間違いない」と頷く。「王都の方へと動いています。このままだと……」「サブラスめ! まさかそんな手段に訴えるとは」 忌々しげにエライザは吐き...
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BD-07-05:嗤う首

『ぐわぁぁぁっ!』 エルドは大量の血を吐いた。その上半身は無茶苦茶に傷付き、鎧は壊れ、内臓すら|溢《あふ》れ出て脈打っていた。それを行った当事者であるケインをしても、目を背けたくなるほどの惨状だ。『ぐぅうぅぅっ、痛い、痛い、痛い!』「まさか...
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BD-07-04:変身!

 まえぶれもなく、ケインの姿が広間の中央に出現した。予想外の新手の出現に、エルドは一瞬動揺を見せる。だが、現れたのがケイン、それも単独であると知ると、途端に笑い始めた。「誰かと思えば、あなたですか。増援にもなりはしな――」 その言葉が終わる...
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BD-07-03:仮説のまま

 眼下に凄まじい戦闘を見ながら、ケインは「なぁ、アディス」と乾いた声を発する。「どうして俺たち、こんな観戦モードになってんだ?」 「さぁ……。そもそも《《ここ》》がどこなのかもわかりません。僕らが異常に強い魔力に包まれているっていうのだけは...
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BD-07-02:エライザの戦い

 暗黒の城はシャリーたちを拒絶することはなかった。大荒れの海の中を渡る橋を、|飛沫《しぶき》の一つも浴びもせずに歩いていく。結果として妨害も歓迎もなく、最初の広間に到達した。「サブラスは私たちに気が付いているはずですよぉ」 シャリーはのんび...
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