物語

腰痛剣士と肩凝り魔女・本文

#04-06: アタシの中の悪魔が囁くのさ

←previous ウチ、もう見てられへん――リヴィがガナートの剣を抜いた。炎の柱が俺とリヴィの間に生まれる。「ウチな、やっぱりじっとしてるんは苦手や」 炎の生み出す風に髪を|弄《もてあそ》ばれながら、いつになく真面目な顔でリヴィが言う。「...
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#04-05: 魔女と元魔女

←previous 役人は兵士たちに命じて、異端審問官を広場の中央に引っ張り出した。異端審問官はまだ何事か喚いていたが、役人や兵士たちは取り合わない。彼らなりに思うところがあったのだろう。「異端審問官は魔女狩りの大将だろう?」 俺は近くまで...
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#04-04: 青い焔

←previous 衝撃波をまともに受けて、俺たちは背中を地面に打ち付けることになってしまった。「ちっくしょう……」 完全に腰が《《いって》》しまった。足先の感覚すらない。起き上がることもできない。「パパ、大丈夫?」 ウェラが俺を覗き込みつ...
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#04-03: 魔女狩りと処刑台

←previous 店を出るなり、俺たちは身動きが取れなくなった。凄まじい数の人々が通りを埋め尽くしている。とにかくどこを見ても人、人、人……。「タナさん、これって」「魔女狩りさね」 タナさんは忌々しげに吐き捨てた。「人々の顔を見てごらんよ...
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#04-02: 城塞都市

←previous それから一週間少々移動して、俺たちはベラルド子爵領とキンケル伯爵領の境界線上にある城塞都市に辿り着いた。旅の途中ではトラブルもないではなかったが、大抵は騎士たちがなんとかしてくれた。場合によってはタナさんがなんとかした。...
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#04-01: タナさんの過去

←previous その日の昼、混乱の収まらないベラルドの城から、俺たちは出発した。ガナートが「これ以上迷惑をかけたくない」と言ってきたからだ。しばらく滞在してガナートの補助をすることも考えなくはなかったが、ガナートは「お前たちにはもっと大...
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#03-06: 女公爵エリザの伝説

←previous どうしたものかな? 迫ってくる騎士たちを見、溶けた地面を見、俺は考える。「魔女って言葉にずいぶんわかりやすい反応してたな」「そうだねぇ」 タナさんは険しい表情で考え込んでいる。迫りくる騎士などどうでもいいと言わんばかりの...
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#03-05: 導火線

←previous キース派が黙ってるわけはないと思っていた。だが、まさかこんなすぐに城を取り囲んでくるようなことが起きるとは思わなかった。まるで全部用意されていたかのような周到さだった。城壁は城内にいたキース派の騎士によって開けられていた...
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#03-04: 形見と呪い

←previous 翌朝、俺が目を開けると、タナさんと娘二人はすでに着替えまで済ませていた。タナさんは黒いドレス、ウェラは子供用の動きやすそうな、しかし上品な刺繍の施された衣服、リヴィは黒い男性用の簡易礼装だった。「ウチのが男の子用言うのが...
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#03-03: タナさんの告白

←previous このまま屋敷にとどまっていてもあまり良いことはなさそうだ――という直感めいたものはあったのだが、なにしろ今の俺は身動きができない。ガナートの部下によってこの豪華な客室に連れてこられたところまでは良かったが、そこまでだった...
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