小説

カセドラル・ブラッド・本文

CB-01-003: NO-VICE

←previous  ええと? バハムートと。バハムートとおっしゃりましたか、この|羆《ヒグマ》は。  右手に掲げた刀から、いかにもな紫色の光の|靄《もや》が立ちのぼっている。ご丁寧にも時々バシバシっと放電したりもしている。ぶ...
カセドラル・ブラッド・本文

CB-01-002: 敵の戦士

←previous  その部屋のドアを蹴倒して現れたのは、|羆《ヒグマ》のような男だった。 「おーおー。このヒョロイやつが噂の新たなるバイス様でございますか」  男は開口一番、俺を左手で指差しながら言った。右手には巨大な...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第肆話

承前 「悔しいか?」  男は目を細め、口を歪めた。 「悔しいだろうな。枠組みだけは一人前、そのくせ中身は風船のような自尊心が|突付《つつ》かれたのだからな」  赤い布は、くぅん、と鳴いた。顔無しのマネキンの肩が、ク...
カセドラル・ブラッド・本文

CB-01-001: 黒い女

←previous  なんだなんだ。何が起こった?  全身が鈍く痛む。たとえるなら強烈な全身筋肉痛である。目を開けたつもりが、真っ暗で何も見えない。これ以上ないっていうほど暗い。手足の感覚もあまりなかったが、鈍い痛みがあるおか...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第参話

承前  人間の一部――!?  ゾクッとした。背筋が粟立った。そんな私を見ている男は、退屈そうに眼を細める。 「別に有機体ではない。死体ではない。お前たちの定義に拠ればな」  そして、面白くなさそうに言った。私は膝が...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第弐話

承前  男は私を誘い入れようとしたが、こんな時間に見知らぬ男の家にホイホイと入ってしまえるほど、私は判断力の低い人間ではない。 「いや、こんな夜中に」「夜中だから何かあるのか?」  まさかの問いかけだ。私は答えに窮する。...
美味兎屋・本文

濡レ雑巾ノマス秤 第壱話

 また深夜残業だよ。月の半分以上は終電を逃がす。  いい加減うんざりだ。世の中は不景気だ。ボーナスだって貰えない。そのくせ公務員様は、普通の企業の三倍も四倍ももらっていやがる。赤字を抱えたって誰一人クビにならないし、我々庶民に何を言...
カセドラル・ブラッド・本文

CB-00-000: 着火

 2022年2月22日。可能な限り「|2《にゃん》」を詰め込んだ猫フェチのための日。  そんな平和な日にも、俺はこうして駅を行く。つい五時間前に、三日ぶりに家に帰ったと思ったら、午前八時には電話がかかってきた。呼び出し理由は「先月納...
魔女のオラトリオ・短編

ある剣の追想 -07.ブルーオパール

「魔女のオラトリオ」関連短編――。 前話  あの後、私は首尾よく少年と再び出会うことができた。というより、そうでなければこの少年は助からなかっただろう。なに、少しだけ私の力を分け与えただけだ。彼が切り殺してきた兵士たちの生命の...
魔女のオラトリオ・短編

ある剣の追想 -06.少年

「魔女のオラトリオ」関連短編――。 前話  あの魔女がこの世界から消えてから、いったいい何年が|経《た》ったのか。とはいえ、私はそんなことには興味もなかったが、あれだけの被害を受けた王国は|未《いま》だ存続しているようだった。...
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