# sys.stdout.write("Hello World!")
# sys.stdout.flush()
アキ――!
ミキは串刺しにされたアキを見上げて、思わず叫んだ。
「ミキ……これで、いいんだよ」
「馬鹿言うな!」
深淵なるものはその右肩から腰まで刃が入っていた。どう見ても即死級のダメージである。
『よくやりましたね』
彼女はそう言い、くずおれる。アキも槍ごと投げ出された。ミキは槍を突き立てられたままのアキを抱きかかえ、その頬を何度も叩いた。
「触覚ないんだってば。視界が揺れるだけだから、やめてくれない?」
力なく抗議するアキの頭を、ミキが抱えた。
「八木博士、なぜアキを」
『心配には……及びません』
八木の姿に戻った深淵なるものは、微笑んだ。
『私が消えれば、すべての約束は、履行されます』
「犠牲を防げるんだね……」
アキの両目の青い光が薄れていく。
『……そうです』
八木の言葉には力がなく――そしてそのまま光と化した。
「アキ! アタシを置いていくなよ!」
「だいじょうぶ……。ちょっと、再起動、してくるね」
「馬鹿、寝ぼけてるのか!」
「眠たいってのは、こんな感じ……なのかなぁ?」
「アキ! ダメだ、起きろ。目を覚ませ!」
ミキはアキの胸に刺さった槍を引き抜いて捨てる。血が噴き出ることはない。ただ、光があふれるだけだ。
視界が光で埋め尽くされそうになったその瞬間、ミキは見た。
「まさか――」
ミキが見たのは、光に消えていく地球の姿だった。
[EOF]
コメント