KenIsshiki

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OreKyu-06-001:結ばれた証

 俺は寝かされていた。首を巡らせてみる感じだと、ここはホテルのようだった。ベッドサイドテーブルの上にはガンタンクが二台乗っている。メグと一緒に組み立てたガンタンクだ。 何があったのか。 あの時、腹を切られた。《《牧内会長に》》。メグは背中を...
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OreKyu-05-003:神、曰く。

 意識の落下が止まって、俺は目を開ける。開けると言っても多分これは夢の中である。黒い世界が四方八方に広がっていて、床と思しき所には時々光の線が走っている。不安はあったが、俺は適当に数歩歩いてみた。どうやら床はしっかりしているらしく、落ちたり...
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OreKyu-05-002:続く違和感と……

 何とはなしにテレビを点けてみるけども、そこではのんびりと情報番組が放送され始めたところだった。天気も良いらしいし、平常運航だ。観光日和になるだろう。 だがやはり、何かが変な気がする。やっぱりまだ夢の中にいるのだろうか。「メグ」「うん?」「...
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OreKyu-05-001:メモリのリアルタイム補正

 はたと気が付けばそこはホテルの部屋だった。札幌出張の際に確保したホテルである。どうやらソファで寝てしまったらしい。ベッドの方を見ると、メグがちゃっかり薄手の毛布にくるまって眠っていた。ていうかこの部屋ツインだったっけ。なんか違和感を覚えな...
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OreKyu-04-008:デッド・エンド

 そんな予感はしていた。だが、そこに懐疑的な俺もいる。果たしてネットの情報だけで人々が簡単に汚染・誘導されるか、という。「私もそこには懐疑的だったけど、考えてみろ。今は世界中に核が落ちた非常事態だぞ。人間のリテラシーは向き合う危険に応じて低...
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OreKyu-04-007:エーヴィッヒ・ヴィーダーケーレン

「だとしてもね……!」 そんなタイミングでメグが声を上げる。「私たちが意志を持っている限り、仮にお前がヤルダバオト、いえ、たとえお前が|真なる神《プロパテール》だったとしても、そう簡単にこの世界を明け渡しはしない」『なぜ?』「なぜだと?」『...
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OreKyu-04-006:人はあなたが思うほどに生きたがってはいないのよ

 部屋の巨大なディスプレイには、ゴエティアがすでに映っていた。違和感がなくはないが、さっきまで見ていた《《不気味の谷》》を持つ美女がそこにいた。『意外と早い戻りだったわね』「おかげさまで」 間髪を入れず、メグが言った。「お前と会長の狙いは理...
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OreKyu-04-005:利他性と利己性、そして本能

 俺たちはまた地下のあの部屋へと戻った。そしてすっかり空腹になっていたことを思い出し、まずは置いてあったカップ焼きそばを平らげる。こんな時に至ってもこんなものをすすっていられるとは、我ながらなかなか豪胆であるなぁ、なんて思う。 メグ姐さんは...
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OreKyu-04-004:神を創った神を名乗る

 気付けば俺は怒鳴っていた。「AIの気分次第で大事な人間と切り離されてたまるもんか!」「落ち着きたまえ」 暫くじっと黙っていた会長が口を開いた。「安心するが良い。その感情さえなくなるのだ。遠からず、お互いにな」「冗談じゃない!」「幸福だと思...
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OreKyu-04-003:メモリ最適化のエグゼキューション

 俺は口の中がひりつくのを感じながら、メグ姐さんのキリッとした横顔を見る。メグ姐さんはてっきり怒っているものだと思ったが、その顔はまるで陶器のように冷たかった。表情も血の気もない。「課長……」「大丈夫だ、墨川」 メグ姐さんは右手で俺の左手の...
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