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OreKyu-05-001:メモリのリアルタイム補正

 はたと気が付けばそこはホテルの部屋だった。札幌出張の際に確保したホテルである。どうやらソファで寝てしまったらしい。ベッドの方を見ると、メグがちゃっかり薄手の毛布にくるまって眠っていた。ていうかこの部屋ツインだったっけ。なんか違和感を覚えな...
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OreKyu-04-008:デッド・エンド

 そんな予感はしていた。だが、そこに懐疑的な俺もいる。果たしてネットの情報だけで人々が簡単に汚染・誘導されるか、という。「私もそこには懐疑的だったけど、考えてみろ。今は世界中に核が落ちた非常事態だぞ。人間のリテラシーは向き合う危険に応じて低...
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OreKyu-04-007:エーヴィッヒ・ヴィーダーケーレン

「だとしてもね……!」 そんなタイミングでメグが声を上げる。「私たちが意志を持っている限り、仮にお前がヤルダバオト、いえ、たとえお前が|真なる神《プロパテール》だったとしても、そう簡単にこの世界を明け渡しはしない」『なぜ?』「なぜだと?」『...
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OreKyu-04-006:人はあなたが思うほどに生きたがってはいないのよ

 部屋の巨大なディスプレイには、ゴエティアがすでに映っていた。違和感がなくはないが、さっきまで見ていた《《不気味の谷》》を持つ美女がそこにいた。『意外と早い戻りだったわね』「おかげさまで」 間髪を入れず、メグが言った。「お前と会長の狙いは理...
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OreKyu-04-005:利他性と利己性、そして本能

 俺たちはまた地下のあの部屋へと戻った。そしてすっかり空腹になっていたことを思い出し、まずは置いてあったカップ焼きそばを平らげる。こんな時に至ってもこんなものをすすっていられるとは、我ながらなかなか豪胆であるなぁ、なんて思う。 メグ姐さんは...
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OreKyu-04-004:神を創った神を名乗る

 気付けば俺は怒鳴っていた。「AIの気分次第で大事な人間と切り離されてたまるもんか!」「落ち着きたまえ」 暫くじっと黙っていた会長が口を開いた。「安心するが良い。その感情さえなくなるのだ。遠からず、お互いにな」「冗談じゃない!」「幸福だと思...
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OreKyu-04-003:メモリ最適化のエグゼキューション

 俺は口の中がひりつくのを感じながら、メグ姐さんのキリッとした横顔を見る。メグ姐さんはてっきり怒っているものだと思ったが、その顔はまるで陶器のように冷たかった。表情も血の気もない。「課長……」「大丈夫だ、墨川」 メグ姐さんは右手で俺の左手の...
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OreKyu-04-002:世界は赤く染まる

「不完全?」 俺たちは思わず首を傾げる。会長と社長は同時に頷いた。「あれはゴエティアと結びついて初めて効力を発揮する。今のままでは単に刻印を施していくだけの能力しか持たない」「刻印?」「墨川」 俺の二の腕あたりをつついて、メグ姐さんが声を掛...
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OreKyu-04-001:会長と社長

 最上階は会長専用フロアで、俺たちはそれ以外の階の訪問を許されなかった。ボタンが反応しなかったのだ。 部屋の前に立つと、前触れもなく電子ロックが外れ、ドアがスライドして開いた。その奥に広がっていた広大な部屋は、文字通りにがらんとしていた。向...
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OreKyu-03-009:一時離脱の交渉と結果

 俺たちは再びゴエティアの部屋に戻り、中央の巨大なディスプレイの前に立った。それとほぼ同時に、そこに霞の姿が浮かび上がる。『鍵は見つけられたのかしら?』「いいや、残念ながらまだだ」 俺は首を振る。メグ姐さんは俺の左手を握り締めていた。「とこ...
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