KenIsshiki

赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-06:赤の魔神

 シャリーの言葉に、エライザが「何だと!?」と天井に開いた穴を睨んだ。シャリーは揺れの方向を確かめて「間違いない」と頷く。「王都の方へと動いています。このままだと……」「サブラスめ! まさかそんな手段に訴えるとは」 忌々しげにエライザは吐き...
赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-05:嗤う首

『ぐわぁぁぁっ!』 エルドは大量の血を吐いた。その上半身は無茶苦茶に傷付き、鎧は壊れ、内臓すら|溢《あふ》れ出て脈打っていた。それを行った当事者であるケインをしても、目を背けたくなるほどの惨状だ。『ぐぅうぅぅっ、痛い、痛い、痛い!』「まさか...
赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-04:変身!

 まえぶれもなく、ケインの姿が広間の中央に出現した。予想外の新手の出現に、エルドは一瞬動揺を見せる。だが、現れたのがケイン、それも単独であると知ると、途端に笑い始めた。「誰かと思えば、あなたですか。増援にもなりはしな――」 その言葉が終わる...
赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-03:仮説のまま

 眼下に凄まじい戦闘を見ながら、ケインは「なぁ、アディス」と乾いた声を発する。「どうして俺たち、こんな観戦モードになってんだ?」 「さぁ……。そもそも《《ここ》》がどこなのかもわかりません。僕らが異常に強い魔力に包まれているっていうのだけは...
赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-02:エライザの戦い

 暗黒の城はシャリーたちを拒絶することはなかった。大荒れの海の中を渡る橋を、|飛沫《しぶき》の一つも浴びもせずに歩いていく。結果として妨害も歓迎もなく、最初の広間に到達した。「サブラスは私たちに気が付いているはずですよぉ」 シャリーはのんび...
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保護中: 【期間限定】レベッカ差分

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赤の魔神と錬金術師・本文

BD-07-01:最も大切なもの

 なんだなんだ!? ケインは大いに戸惑った。それまで自分たちを拘束していた力が不意に消え去ったかと思えば、次は完全な闇の中に放り込まれていた。自分の指先すら見ることができない、質量を伴った闇だった。「もしかして、俺たち死んだってのか?」 ケ...
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BD-06-04:説得と取引、そして。

 その日の夕方には、シャリーたちはディンケル国家騎士によって身柄を拘束されていた。シャリーたちにその手を逃れる術は最初からなかった。結局、抵抗の一つもできずに捉えられ、エレン聖神殿の一室に監禁されてしまった。 その部屋には大きめのソファが三...
赤の魔神と錬金術師・本文

BD-06-03:神を滅するという望み

 エライザの鋭い視線を受けても全く萎縮することなく、エルドは言う。「そこに出てきたのが、まさかのヴラド・エール神ですよ。もっとも、クレスティアとの対面はまたも実現しやしませんでしたけれどね」「あの方が介入したというのか、人間に」 エライザが...
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保護中: 【期間限定】カティ差分

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