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OreKyu-07-004:新たな形の世界大戦

 結論から言うと、半年近くかかってKASUMIは無事に目を覚ました。当初こそシンギュラリティの到来と、それによる科学技術、いや、人類の文明への危険性が取り沙汰されていたが、IPSxg3.0のリリースを受けて、そのリスクは封じ込められた。簡単...
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OreKyu-07-003:ピンチには必ず駆け付けると言っただろう

 そこそこうまくいっている感じの会社員生活も、早くも十年目に入ろうとしていた。俺はずっと彼女のことを忘れられず、その結果三十を過ぎても彼女の一人も作ってこなかった。一応俺の名誉のために言っておくが、告白されたことは何度かある。誘惑に駆られた...
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OreKyu-07-002:正義の人

 憧れの女の子がいた。中学二年の終わりに転校してしまったけれど、女番長として、男女を問わず、不良たちには恐れられている存在だった。正義感の塊みたいな人で、俺も何度となく助けてもらった。けど、彼女はいつも言っていた。「私はね、世界を救いたいん...
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OreKyu-07-001:再会へのイニシャライズ

 メグ? 俺は俺に触れていたはずの手を探していた。息を殺してもメグの気配を感じることはできない。すぐそばにいたはずなのに触れられない。呼ぼうにも声が出ない。 俺は膝をかがめ、周囲をまさぐった。メグが倒れているかもしれないと思ったからだ。だが...
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OreKyu-06-003:楽園とはいったい……?

「滅ぶって……どういうことだ」 思わず俺が声を上げた。ゴエティアは「何を言ってるんだこいつは」という表情をして俺を見る。『滅びは滅びよ、墨川くん。《《人》》としての意味がなくなった《《獣》》たちは、全て塩の柱にでもなったのでしょう。遠からず...
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OreKyu-06-002:罠

 なんだかんだとあって、俺たちは昼過ぎまで寝こけてしまった。連泊で取ってあるので時間の心配はしなくても良いし。本来の出張の目的なんて、今更どうでもよくなってしまったし。「ガンダムカフェ、か」「ん?」 ベッド脇に置いてあったスマホを取る時に思...
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OreKyu-06-001:結ばれた証

 俺は寝かされていた。首を巡らせてみる感じだと、ここはホテルのようだった。ベッドサイドテーブルの上にはガンタンクが二台乗っている。メグと一緒に組み立てたガンタンクだ。 何があったのか。 あの時、腹を切られた。《《牧内会長に》》。メグは背中を...
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OreKyu-05-003:神、曰く。

 意識の落下が止まって、俺は目を開ける。開けると言っても多分これは夢の中である。黒い世界が四方八方に広がっていて、床と思しき所には時々光の線が走っている。不安はあったが、俺は適当に数歩歩いてみた。どうやら床はしっかりしているらしく、落ちたり...
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OreKyu-05-002:続く違和感と……

 何とはなしにテレビを点けてみるけども、そこではのんびりと情報番組が放送され始めたところだった。天気も良いらしいし、平常運航だ。観光日和になるだろう。 だがやはり、何かが変な気がする。やっぱりまだ夢の中にいるのだろうか。「メグ」「うん?」「...
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OreKyu-05-001:メモリのリアルタイム補正

 はたと気が付けばそこはホテルの部屋だった。札幌出張の際に確保したホテルである。どうやらソファで寝てしまったらしい。ベッドの方を見ると、メグがちゃっかり薄手の毛布にくるまって眠っていた。ていうかこの部屋ツインだったっけ。なんか違和感を覚えな...
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