ジャンルとしては「現代ファンタジー」ですが、要素的には「SF」「ホラー」を含みます。以前カクヨムにて連載していたものの加筆修正版となります。
世界を救うのは、ほかならぬメガネの高校生――に恋した美人女子大生!?
どういう因果か知らないけれど、僕の家にやってきたのは女子大生の家庭教師。いや、僕には別に必要ないんだけれど。
どこかで見た顔だなと思ってみれば、バス停で無駄に至近距離に並んでくるお姉さん。この前読書してたら話かけられたんだっけ。ていうか、それだけでどうして僕の家の情報を知ったのだろう。ストーカー? やめて、マジで怖い。
この女子大生、名前は武さんというのだけれど、僕は命令により「タケコさん」と呼ばされている。ちなみに僕は正月。まさつき。ショーガツじゃない。だけど母さんですらショーガツと呼ぶわけだ。名前の時点で、この人生釈然としない。
そんな僕には夏山ルリカという幼馴染がいる。端的に言って美少女(胸はない)だ。もちろん、彼女も僕をショーガツと呼ぶ。僕はそんなにめでたい人ではないのだけれども。
いやほら、もちろんなんだけど、この女子大生や幼馴染との間で、ラブコメ的な展開を求めていなかったわけじゃない。だって僕は至極まっとうな高校生男子であるから。
しかし、それにしたってこの現実は、本当にどうしようもなくて。
僕はいつの間にか虚構と現実の区別がつかなくなっていたんだ。
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