KenIsshiki

大魔導と闇の子・本文

WA-08-04:黄金の龍

 ここに至るまでのサイケデリックな、どこかふざけた感さえある作りの防壁迷路とは雰囲気がまるで違っていた。暗黒の門は、まるで黄泉の国へと繋がっているのではないか――そんなことさえ思わせる。 ヴィーはその深淵の奈落のような門を見上げて、半笑いだ...
大魔導と闇の子・本文

WA-08-03:防壁迷路

 トバースはセウェイの精神へのアクセスに、拍子抜けするほど簡単に成功する。セウェイが咄嗟に経路を作っておいたのか、それともハインツの罠なのかはわからない。だが――。「こいつは……なんてカオスなんだ」 トバースがそんな感想を持ったのも無理はな...
大魔導と闇の子・本文

WA-08-02:仲間

 私に力を貸して! 妖剣テラ! カヤリの強力な思念がグラヴァードたちにも届く。 その途端、カヤリの身体から闇色の放電が発生し始める。妖剣テラとの接続装置は破壊された。しかし、妖剣テラはカヤリの中にすでに《《接続経路》》を確立してしまっていた...
大魔導と闇の子・本文

WA-08-01:憑依

 エクタ・プラムが完全に沈黙した。接続装置の破壊からエクタ・プラムが壊滅するまで、二時間とかからなかった。ありとあらゆるものは燃え、中心部に開いた巨大な穴の中に引き摺り込まれて消滅していった。エクタ・プラムに戻る直前だった騎士たちは、ギリギ...
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WA-07-11:朗々たる贖罪

 カヤリの放つ光が、まるで真昼のように世界を照らす。魔神と化したハインツが放つ闇色の炎が、その白を駆逐しようと噴き上がる。だが、カヤリの放つ輝きは衰えることはなく、その闇の炎を静かに鎮火していく。 カヤリは歌う。 ――闇を切り裂く龍の咆哮 ...
大魔導と闇の子・本文

WA-07-10:カヤリによる断罪

 トバースたちのところに転移して、グラヴァードは周囲を見回す。「カヤリはどうした」「あそこです」 トバースが穴の底を指さした。|擱座《かくざ》した魔神の足元に、カヤリが立っていた。だがその様子は普通とは言い難い。穴の底はまるで星空のようにま...
大魔導と闇の子・本文

WA-07-09:魔神顕現、その時――。

 いつものとは違う暗黒色の鎧に身を包んだグラヴァードは、一切の躊躇なくハインツの胴を|薙《な》いだ。ハインツは背骨付近までばっくりと斬られ、そのまま後ろに倒れた。|夥《おびただ》しい量の血液が焦げた床に広がった。「グラヴァード様、魔力は……...
大魔導と闇の子・本文

WA-07-08:圧倒的劣勢

 ハインツが指を鳴らすと同時に、トバースたちは強い脱力感に襲われる。「魔力が、吸われてる……!?」 霧に。つまり、カヤリに。トバースたちの放つ魔法や障壁に使う魔力が吸収されていく。「黙っていても吸われ尽くす。攻撃しても吸収される。どうすりゃ...
大魔導と闇の子・本文

WA-07-07:悪魔召喚

 カヤリは霧の中心部にいる。トバースは確信をもつ。人形師とも呼ばれるトバースであったから、憑依可能な対象の位置はかなりの精度で検知することができる。 とはいえ、憑依したところでどうにもなるわけではない。 むしろそんなことをしたら自分の精神が...
大魔導と闇の子・本文

WA-07-06:対峙の時

 こんのクソ結界がぁっ! トバースはエクタ・プラムの強固な結界を恨む。正面から堂々と入れるなら苦労しない。だが今は、正規の入り口は、その全てがギラ騎士団によって魔法的に封鎖されていた。|銀の刃連隊《ガーナルステッド》の騎士であればあるいはそ...
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