腰痛剣士と肩凝り魔女・本文

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#99-02: 降りてきた天使

←previous 俺たちは誰ひとり戻ってこなかった。城からは誰も出てこなかった。一室が派手に燃えていたから、おそらく相打ちになったのだろう。 王国騎士たちはそういうシナリオを描いていた。結局の所、教会の尻尾を掴むには至らなかったが、悪魔た...
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#99-01: 対価と願掛け

←previous 外に出た俺たちを待っていたのは、六人の王国騎士と、御者と、馬車だった。王国騎士たちの鎧はそれぞれ傷つき、マントもずたずたになっていたが、それでも誰一人欠けることなく俺たちを待っていた。「ただいま」 ウェラがまっさきに声を...
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#08-05: 最終決戦

←previous 俺はタナさんと手を重ね、身体を支え合いながら、一歩また一歩とエリザと悪魔に近付いていく。強烈な力場、圧倒的な奔流。津波のようなそれに溺れながら、俺たちは進む。悪魔が大きい。エリザの発する圧力も痛いほど。「!」 エリザの姿...
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#08-04: ガルンシュバーグ

←previous 老人は白い炎を上げて燃えた。 |哄笑《こうしょう》を|遺《のこ》して、その身体は瞬く間に灰になる。タナさんはガルンシュバーグを抜きかける。だが、それをリヴィが止めた。「ママ、こいつはエリザとはちゃうってことでええんやな?...
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#08-03: カルヴィン伯爵の姿

←previous 火の精霊がいなければ、俺たちはこの真っ暗な城の中で途方に暮れていたかもしれない。念のためにランタンは持ってきていたが、それだけではこの圧力のある暗闇に心を|捻《ねじ》り折られていたかもしれない。「ウ、ウチ、正直震えが止ま...
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#08-02: 暗雲の生まれる場所

←previous 翌朝早く、俺たちは大袈裟な雨音で叩き起こされた。氷雨が幌をしつこく刺している。「いやぁ、濡れますなぁ」 外套を|纏《まと》ったタガート隊長が、うんざりした口調で挨拶にやって来る。「さすがの我々もこの季節の雨は苦手ですなぁ...
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#08-01: 地獄の入口

←previous それ以降、特にこれといった襲撃もなく、俺たちは進んだ。小さな村を三つばかり通過したのだが、人影も人の気配も感じられなかった。皆、家の中で息を潜めているのか、あるいは――。 幸いにして食料や水の余裕はまだまだあったから、俺...
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#07-06: 恐怖と不安

←previous それから一週間、俺たちはひたすら西に向かって進み続けた。幸いにして街道は整備されていて、馬車から伝わる振動も、まぁ、そこそこに良心的だった。タナさんの灸と湿布とマッサージの力で、腰痛もどうにかごまかせた。 途中途中、散発...
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#07-05: エリザからの刺客

←previous 翌朝、未だ|朝靄《あさもや》が|烟《けぶ》る時分、俺たちはすでに馬車の人となっていた。「パパ、ママ、眠そうやなぁ?」 ウェラが眠っているのを確認してから、リヴィがニヤニヤしながら言った。俺とタナさんはなんだか気恥ずかしく...
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#07-04: 求婚の言葉

←previous そんな幸せな時間は長くは続かなかった。 腰が――死んだのだ。 食事を終えて部屋に戻った瞬間に、そりゃもう俺自身がビックリするほどの激痛が|奔《はし》り、全身の力が抜けた。リヴィと腕を組んでなければ顔面強打間違いなしだった...
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