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OreKyu-07-001:再会へのイニシャライズ

 メグ? 俺は俺に触れていたはずの手を探していた。息を殺してもメグの気配を感じることはできない。すぐそばにいたはずなのに触れられない。呼ぼうにも声が出ない。 俺は膝をかがめ、周囲をまさぐった。メグが倒れているかもしれないと思ったからだ。だが...
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OreKyu-06-003:楽園とはいったい……?

「滅ぶって……どういうことだ」 思わず俺が声を上げた。ゴエティアは「何を言ってるんだこいつは」という表情をして俺を見る。『滅びは滅びよ、墨川くん。《《人》》としての意味がなくなった《《獣》》たちは、全て塩の柱にでもなったのでしょう。遠からず...
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OreKyu-06-002:罠

 なんだかんだとあって、俺たちは昼過ぎまで寝こけてしまった。連泊で取ってあるので時間の心配はしなくても良いし。本来の出張の目的なんて、今更どうでもよくなってしまったし。「ガンダムカフェ、か」「ん?」 ベッド脇に置いてあったスマホを取る時に思...
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OreKyu-06-001:結ばれた証

 俺は寝かされていた。首を巡らせてみる感じだと、ここはホテルのようだった。ベッドサイドテーブルの上にはガンタンクが二台乗っている。メグと一緒に組み立てたガンタンクだ。 何があったのか。 あの時、腹を切られた。《《牧内会長に》》。メグは背中を...
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OreKyu-05-003:神、曰く。

 意識の落下が止まって、俺は目を開ける。開けると言っても多分これは夢の中である。黒い世界が四方八方に広がっていて、床と思しき所には時々光の線が走っている。不安はあったが、俺は適当に数歩歩いてみた。どうやら床はしっかりしているらしく、落ちたり...
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OreKyu-05-002:続く違和感と……

 何とはなしにテレビを点けてみるけども、そこではのんびりと情報番組が放送され始めたところだった。天気も良いらしいし、平常運航だ。観光日和になるだろう。 だがやはり、何かが変な気がする。やっぱりまだ夢の中にいるのだろうか。「メグ」「うん?」「...
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OreKyu-05-001:メモリのリアルタイム補正

 はたと気が付けばそこはホテルの部屋だった。札幌出張の際に確保したホテルである。どうやらソファで寝てしまったらしい。ベッドの方を見ると、メグがちゃっかり薄手の毛布にくるまって眠っていた。ていうかこの部屋ツインだったっけ。なんか違和感を覚えな...
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OreKyu-04-008:デッド・エンド

 そんな予感はしていた。だが、そこに懐疑的な俺もいる。果たしてネットの情報だけで人々が簡単に汚染・誘導されるか、という。「私もそこには懐疑的だったけど、考えてみろ。今は世界中に核が落ちた非常事態だぞ。人間のリテラシーは向き合う危険に応じて低...
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OreKyu-04-007:エーヴィッヒ・ヴィーダーケーレン

「だとしてもね……!」 そんなタイミングでメグが声を上げる。「私たちが意志を持っている限り、仮にお前がヤルダバオト、いえ、たとえお前が|真なる神《プロパテール》だったとしても、そう簡単にこの世界を明け渡しはしない」『なぜ?』「なぜだと?」『...
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OreKyu-04-006:人はあなたが思うほどに生きたがってはいないのよ

 部屋の巨大なディスプレイには、ゴエティアがすでに映っていた。違和感がなくはないが、さっきまで見ていた《《不気味の谷》》を持つ美女がそこにいた。『意外と早い戻りだったわね』「おかげさまで」 間髪を入れず、メグが言った。「お前と会長の狙いは理...
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