治癒師と魔剣・本文

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DC-04-03:ヒーロー登場

 距離を取り、触手をやりすごす。そんなギリギリの戦いをしながらも、ファイラスとケーナはなんとか耐え凌いでいる。かろうじて無傷ではあったが、ふたりとも息が上がっている。これ以上動くのはさすがに厳しい状況だとファイラスは判断する。  し...
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DC-04-02:薄気味悪い肉の塊

 神殿騎士が異形の襲来を告げるやいなや、ファイラスたちは外に飛び出していた。さっきまであったどんよりとした空気は、いまや絶望の絶叫に取って代わられていた。街の人々はもちろん、負傷兵たちまでが逃げ惑っている。 「神殿騎士は各所で治療と...
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DC-04-01:前線補給基地エウドの惨状

 なんだこの光景は――。  前線への補給基地となっているエウドという小さな街に到着するなり、ファイラスを含め、誰もが言葉を失った。形ばかりの防壁を抜けた先は、ハエの飛び交う地獄絵図だった。街のいたるところに兵士が転がっていた。歩いて...
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DC-03-02:超級のバトル

 グラヴァードはまだ武器を抜かない。 「もう一度言う。その妖剣を俺に渡せ。それはたとえ《《無制御》》とはいえ、君が扱いきれる代物ではない」「だとしても、貴様に渡すわけにはいかぬ」「君ひとりの問題ではない。何万、あるいは、何十万と人が...
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DC-03-01:世界の敵と妖剣使い

 晩夏の夜風が切れるほどに冷たい。甲冑姿の青年――グラヴァードの白い前髪が、いいように|弄《もてあそ》ばれる。大きな月が低い位置に浮かんでいた。ここはディケンズ辺境伯の出城の一つ。いわば最前線に位置する要塞である。  この広大な領地...
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DC-02-07:焚き火の前で正論を述べる

 それにしても――ケーナは唸りながら馬を進める。 「ファイラス様、そもそもギラ騎士団って何をするためにいるんです? 平和な組織とは到底思えないんですけど。大魔導何人もいるんですよね」「国家に所属しない私兵集団、だしな、ギラ騎士団は」...
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DC-02-06:陣魔法

 そして――。 「|紫氷陣《エルヴェル・ヅォーネ》」  そう呟くと、暗黒の女性は突き出した腕を一気に振り抜いた。 「無詠唱で|陣魔法《ヅォーネ》!?」  ファイラスの驚愕の声は、耳をつんざく大音量に潰される。衝撃波...
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DC-02-05:肉塊の異形

 なんて化け物!  ケーナは見る間に巨大化していく肉塊を振り返って舌打ちする。恐怖そのものよりも、生理的嫌悪感が先に立つ。馬車を先に逃し、ケーナとファイラス、そして数名の神殿騎士が|最後尾《しんがり》を務める。 「これは食い止...
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DC-02-04:声と恐慌

 わかりましたと、ケーナは折れる。生き残った脱走兵たちは残らず縛り上げられ、地面に座らされている。輸送しようにも、馬車は負傷した神殿騎士たちで満員だ。脱走兵たちは歩かせるしかない。しかし、歩けないほどの負傷者もいる。  ファイラスと...
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DC-02-03:躊躇なき一撃

 動揺したのは騎士ばかりではない。ファイラスもまた、不意に高まった魔力の濃度にあてられて、集中を乱されていた。そして立ち直ったのは騎士の方が早かった。大剣を拾い上げると、そのままファイラスを横|薙《な》ぎにしようとする。 「!?」 ...
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